オーケストラクラブ卒業生紹介3

水谷文香さん
「オーケストラクラブ卒業生紹介コーナー」の第3弾です。今回は、今年度(2014年度)英語科の教育実習生として本校に戻ってこられました、水谷文香さんを紹介したいと思います。水谷さんは、本校を卒業されてからも、大学オケに所属され活動されていました。また、本校の受付アルバイトもされています。そんな水谷さんにインタビューしました。







〔インタビュア〕
本校オーケストラに所属していた高校2年生の頃、コンサートミストレスを務めておられました。その頃のことを振り返ってみて下さい。

〔水谷さん〕
まずコンサートミストレスとは、コンサートマスターの女性版のことです。指揮者のすぐそばに座り、指揮者がどんな音楽を創りたいのかをタクトから察知し、それをオーケストラ全体に伝えるというのが主な役目です。この役職の難しい点は「言葉では伝えられない」ということでした。演奏中に指揮者とのコミュニケーションを密に取るためには、自分自身の演奏に余裕を持たせることが何よりも大切で、そのためには誰よりも練習し、誰よりも早く弾けていなければならなかったのです。その上、後輩の指導もせねばならない、勉強もある…。本番に近づけば近づくほど必死でした。しかし、この座に就いたことによって計画性や向上心が高まりました。
ダムオケはアマチュア学生オケです。私がダムオケで大切にしていたことは、指揮者の先生やトレーナーの先生方から教わった技術や音楽性を少しでも自分たちのモノにし、私たちらしい音楽を創り上げることでした。私にとってダムオケ最後の演奏会で、お客様から、「音楽は技術だけではないことを教えてもらったよ。本当に感動した!」と言って下さったことが今でも心に残っています。当時の達成感に勝るものは未だ出逢っていません。

〔インタビュア〕
教育実習生として母校に戻ってきて、今までと違う視点から改めてクラブの様子を見て、何か感じたことはありますか?


〔水谷さん〕
練習時間を無駄にしてほしくないということです。オーケストラクラブは昔から練習日が多いことで有名でしたが、それは今も変わっていないことがわかりました。私が高校2年生のときには、練習の効率性を上げるために、「やるときはやる!休むときは休む!」をスローガンとして掲げ、スケジュールを立てていました。これは、厳しいようですが、楽器というものはただ練習日を多くすれば上手くなるわけではないからです。土日祝日の練習日には、お休みのところを顧問の先生方は学校に来て下さいます。また、トレーナーの先生方もお仕事でお忙しい中、合間を縫って私たちのために来校されます。だからこそ、本番までの練習日一日一日を大切に、積極性を持ち、目標を掲げて練習に臨んでほしいと思います。自分たちが練習できるのは様々な方からのサポートを頂いてこそのこと。このことを忘れずに、これからもダムオケの向上に力を注いでほしいと思いました。

〔インタビュア〕
大学に進学して、オーケストラもしくは音楽に関わる活動はしていますか?また、中高時代でのクラブ活動の経験が、どういう点で生かされていますか?

〔水谷さん〕
はい、大学オケに入ったり、演奏ボランティアを企画・開催をしたりしています。
大学オケは、顧問の先生とトレーナーの先生がおすすめされた楽団に入り、丸々3年間、演奏と楽団運営に携わりました。大人数の中の一員としてオーケストラに所属しているとどうしても周りの流れに身を任せてしまいがちですが、ダムオケでのオーケストラ経験があったため、自分なりに音楽に対する想いを抱き伝えることができたり、練習方法を活用したりすることが出来ました。
演奏ボランティアは、私のダムオケ時代にもオープンスクールなど奉仕的な活動で演奏することがあったため、上手い下手を問わない演奏活動をしたいと思い、大学2年生の夏から始めました。ゼロからの企画であったため、大学の音楽学部図書館で楽譜を探し出し、メンバーを集めるところから始める必要がありました。当日はデイケアサービスの施設に出向き、お年寄りの方にも馴染みのある曲や季節感溢れる曲、一緒に歌って楽しんで頂ける曲を演奏しています。大学オケと並行しての活動だったので半年に一度のペースではありましたが、毎回演奏前と後では表情ががらりと変わり、とても喜んで下さいました。音楽が沢山の方々と交流する道具となることをダムオケで知ることができました。

〔インタビュア〕
最後に一言どうぞ!

〔水谷さん〕
母体数約80人もの団体を運営していくことはとても大変なことです。仲間と意見がぶつかること、後輩指導がうまくいかないこと…色々な壁にぶつかることでしょう。しかしその壁を如何にして乗り越えるか、ここで逃げずに考えることが一番大切です。ぶつかりあいながらも仲間とともに、そして支えて下さる顧問の先生方やトレーナーの先生方を頼りに一つ一つクリアしていくことこそ、オーケストラに所属する意味があるのです。臆せず、主体的にオーケストラに関わり、ぶつかり悩み、トライして下さい。決して楽しいことばかりではないかと思いますが、そのたびに真剣に向き合うことできっと成長した自分と出逢えると思います。是非とも5年間最後まで走り抜けて下さい!そして最高の仲間を、最高のダムオケを作って下さいね!



 ありがとうございました。水谷さん、今後もダムオケを見守っていてくださいね。